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2010年10月3日日曜日

国民を裏切るスローガン!

 経済評論家の内橋克人氏は著書『もうひとつの日本は可能だ』二章”幻だった「約束の大地」の中で「現実」無縁の政治の表題の下、国民を裏切る「政治的スローガンと、やがて到来する現実がいつも違う。夢を与えるスローガンとともに採用される政策、その果てに出現する現実によって国民はいつもいつも裏切られてきました。現代も過去も変わりありません。」と述べ、次のような具体例を挙げている。

 * 大東亜共栄圏を築くための国家奉仕義務とされた戦時国債が、敗戦後ただの紙くずとなってしまった事例。


 * 五族協和が唱えられた、まさに「約束の大地」に向かった満蒙開拓団の人びとの体験。現実には中国人の農地を奪うことであり、敗戦後に彼らが遭遇した危難、悲劇の具体例の一つが残留孤児問題である。

 * 戦後も同じようなことがくり返されており、バブル崩壊後、宮沢喜一内閣が打ち出した「生活大国論」の事例。

 住宅金融公庫のローン返済方式についての”ステップ償還”によって、ごく普通のサラリーマンが年収五年分でマイホームが買える時代にしようというスローガン。それは、住宅金融公庫のローン返済を当初五年間は軽くするが、六年目からは返済額が跳ね上がる、という仕組みであった。

 返済額のハネ上がるステップ償還の六年目にはあなたの賃金は上がっている、安定した雇用環境のなかで働いていれば給料も上がる、という話が、実際にはどうなったか?

 ローン返済額が跳ね上がるころ、本格的な賃下げ、リストラ時代に突入した。そのうえ、購入した住宅の資産価値はいまや「半値八掛け二割引」と下落した。いわゆる住宅ローン破産の結果、ホームレスが増加した。(更に続く)

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